2. 皮膚温度低下タイプ(血管収縮型・従来の冷え症)
皮膚温度の低下するタイプは冷え症のなかの60〜70パーセントを占めますが、それはさらに5つのタイプに分けることができます。

1. 末梢血管収縮型冷え症
主に手先、足先に強い冷えを感じるタイプで、特徴としては秋から春にかけて症状が出てきます。
この冷え性が起こる理由は、ふたつあります。
ひとつは、少しの冷房刺激で末梢の血管が過度に収縮し、その結果、血液が先端まで運ばれず、冷えを感じるということ。
そしてもうひとつは、関節が硬くなったり、足の筋力の低下により足指の曲げ伸ばしや開閉ができないほどの足の機能の低下があるといったことが、考えられます。外反母趾や甲の薄い足なども、このなかに含まれます。
ある日、オフィスに坐っていると、足先が冷えてきて我慢できないといいます。彼は筋骨隆々で週2回は野球の練習をしているというスポーツマン。どう見ても、冷え症とは無縁のように思われました。
全身の検査をしてみても、どこといって異常は見つかりません。
ところが、最後に足の指を動かしてもらったところ、足指を自由に曲げたり伸ばしたり、あるいは広げたりすることができなかったのです。もちろん「 足指ジャンケン」など、まったくできません。
その後、仕事中も自宅でも、意識して足の指を動かすようにしてもらったところ、彼の冷え症はすっかり治ってしまいました。
このような末梢血管収縮型冷え症の人は、血管の柔軟性が低下、関節の動きも悪くなっています。
手の先、足の先の血流量が正常な人の10分の1,20分の1しかないという人も少なくなく、足の甲と足の指のあいだに5℃以上の温度差がある場合さえあります。血液のわずかしか流れていない先端の血管は、寒冷刺激が加わると、過剰に収縮してしまいます。
ですから、このタイプの冷え症は、寒くなりはじめる秋口から症状が強く出てくるというわけです。